病棟勤務における観察力の重要性

看護師に必要なスキルの一つに観察力があります。観察力とは、物事をさまざまな側面からとらえてそれを分析し、どのような状態であるかを把握することです。観察力とは見て読み取る力と簡単にとらえられがちですが、実はとても奥深く難しい能力であるといえます。

特に入院病棟に勤める看護師は、優れた観察力を身に着ける必要があります。それは、単に看護師になったからできるというものではありません。しっかりと看護学生の間に看護の基礎について勉強し、看護師になって色々な症例のケアにあたり、一つ一つのことを勉強して知識を身に着けたうえで、はじめて観察と分析ができるようになるのです。深い知識と経験なしに、患者さんの状態を判断することはできません。

もし状況を判断をする際は、今の患者さんの症状からさまざまな問題を予測し、現在服用している内服薬や検査結果などに基づいた判断をすることが重要です。

観察は、問題の早期解決の第一歩になります。自然と目から入ってくる情報だけを見るのではなく、問題意識をもって患者さんを観察することが大事です。常に問題意識を念頭に置いておけば、小さな変化にも気が付くことができるでしょう。

看護師は、患者さんの一番身近にいる存在といっても過言ではありません。自分の観察力次第で、患者さんの命が助かることもあるのです。看護師として最大限の能力を発揮するという意味でも、日頃からさまざまな点に目配りをする癖をつけておきましょう。